湯けむりの街・歴史ある「映画祭」で テレビ大阪ドキュメンタリー映画作品を上映
テレビ大阪ドキュメンタリー映画「おまえの親になったるで」が、「第26回ゆふいん文化・記録映画祭」(大分県由布市由布院町)の選定作品に選ばれ、2024年6月9日(日)上映会が開催されました。
まっすぐな「驚き」を見つめる
「ゆふいん文化・記録映画祭」は、地元の有志たちが実行委員となって開催される映画祭で、今年で26回目。「劇映画とは異なり、良質な映画に光を当て、少しでも多くの人の目に触れる機会をつくりたい」という思いのもと、ドキュメンタリーや教育、文化的な作品を集め、今年は6月7日~9日の3日間で、7本の映画作品が上映されました。
温泉街の魅力と郷土愛にも、触れる
映画祭のもうひとつのお楽しみは、前夜祭。地元の青年団・ボランティアが映画祭に訪れた人々に、郷土料理や銘酒などをふるまい、地元の人たちと映画談義に華を咲かせました。また地元の伝統芸能「神楽」が披露され、ゆふいんの文化・歴史など、会場一体となって体感できました。
映画評論家と舞台トーク
最終日、「おまえの親になったるで」上映会には、多くの来場者が詰めかけました。上映後、映画評論家の野村正昭さん、主演の草刈健太郎さん(カンサイ建装工業代表取締役)、北岸良枝監督が登壇。
野村さんは、地方のテレビ局が積極的にドキュメンタリー映画を制作している点に触れ、本作の映画化の構想時期について、北岸監督へ質問。北岸監督からはニュースがきっかけで取材を開始し、気が付けば10年、撮影記録は700時間以上に及んでいることを説明。その上で、犯罪被害者家族と加害者支援という、二つの問題を丁寧に紡ぎながら、2年かけて完成した経緯を明かした後、野村さんからは、続編へのエールが投げかけられました。
その後、草刈さんとともに、撮影秘話や映画に収まらなかった更生支援活動の現状などを説明、草刈さんは更生支援について、「誰かがやらなければならない。被害者が生まれてはいけない」と語り、来場者からの質問に答えました。
実行委員のスタッフからは「大きなスクリーンで観ますと胸がズキズキしますね…でも草刈さんの強い想いや草刈さんのご家族や会社のみなさん、支援者のみなさんの温かな想いもあふれており、勇気を与えていただきました。そして、人との出会いの大切さを感じました」とメッセージを寄せてくれました。
殺害された「妹」のような被害者を生まない…
元犯罪者の更生・再犯防止を目的に、全国35を超える刑務所・少年院で上映会が開かれた本作品。ことし2月の大阪・第七藝術劇場での公開以降、スクリーンを通じて、その想いを伝える活動は、今後も続きます。
■今後の上映情報
・6月28日(金)~30日(日)
第3回「宮古島チャリティー国際映画祭」に選定作品 上映決定
・6月28日(金)~7月11日(木)
東京 テアトル新宿
・7月19日(金)~8月1日(木)
京都 アップリンク京都