阪神ファンが阪神戦を実況してみた結果・・・
「御社で阪神の試合を実況したいんです!」
就活中、関西のテレビ局を受験するたび、面接で何度も私が口に出した言葉。
「阪神戦を実況したい」というこの思いだけは、就活中も、就職してからも、一貫して変わることはありませんでした。
というのも、私は阪神ファンの家系で育ち、学校終わりはほぼ毎日テレビの前に座って阪神の応援。食事中はテレビを見てはいけないというルールがあった我が家でも、なぜか阪神戦だけは見ていいという謎ルールが導入されていたほど。
応援するだけの存在だったテレビ中継が、いつしか「いつか自分がしゃべるもの」という目標にかわり、ときには音量を0にして自分がアナウンサーになったつもりで仮想実況。得点したら音量を上げて六甲おろしを歌うというせわしない観戦スタイルだったことを思い出します。
実況席はテレビの前からバックネット裏に!!
そんな憧れだった阪神戦実況の夢が、アナウンサー人生5年目で実現することになりました。
7月2日、マツダスタジアムで行われた広島対阪神の試合を実況させていただいたのです。
以前勤めていた鹿児島の放送局で高校野球実況の経験があったので人生初実況というわけではなかったのですが、プロのスタジアムの放送席に座ったときの緊張感はこれまでに味わったことのないものでした。
しかも、隣には解説の福留孝介さんと狩野恵輔さん。
放送開始前の音声チェックで手元の原稿が全く読めなかったとき、「あかん!俺、緊張してる!」と激しく動揺したのを覚えています。
それでも試合が始まると、タイガース才木投手とカープ森下投手の緊迫した投げ合いの展開につられ、自分も試合にのめり込んで集中していたと思います。福留さんと狩野さんのお二人の軽快なトークにも助けられ、あっという間に延長戦まで進んだように感じました。
実況デビュー戦はタイガースが勝利!
0-0でこのまま引き分けか?という雰囲気も漂う中、延長10回に島田選手のヒットをきっかけに先制すると、近本選手にも待望のタイムリー、中野選手、糸原選手と打線がつながり、なんとか放送時間内に試合を決める得点シーンをお届けすることができました。
デビュー戦は3-0で勝利。一生忘れない試合になりました。
放送終了後、ベンチリポーターとして同じく広島入りしていた先輩の前田アナウンサーに「おめでとう!焼肉行くか!」と言っていただきましたが、頭も内臓もどっと疲れていたので、すこしあっさりめ(?)のしゃぶしゃぶをリクエストし、ご馳走していただきました。ありがとうございました!
実況2戦目は横浜スタジアム!
私自身2度目となる実況は8月27日の横浜スタジアムでのDeNA戦。
解説は鳥谷敬さん。
学生時代、鳥谷さんのユニフォームを着て甲子園に行っていたものですから、これまた幸せな、終始夢を見ているんじゃないかという不思議な時間でした。
試合には敗れてしまいましたが、序盤から激しい打ち合いで、見どころ満載の試合に携わることができてよかったです。
阪神戦実況という夢は叶いましたが、アナウンス人生これからも実況に携わらせていただく機会はあります。前回よりもより良く、つねにアップデートするために日々研鑽していきます。
今シーズンのナマ虎スタジアムはDeNA戦をもって終了です。今シーズンもご覧いただきありがとうございました!
来シーズンのナマ虎スタジアムも何卒宜しくお願いいたします!