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【2分で読める】「チョーヤ梅酒」ストーリー!梅酒に人生を賭けた男たちの物語【もしマネ】

梅酒といえば『チョーヤ』。そんな「チョーヤ梅酒」がもともとワインメーカーだったことをご存知でしょうかか?好調だったワイン製造から梅酒へと転換したきっかけ、梅酒が買うものではなかった時代との戦い…。大ヒットに至るまでの、梅酒に人生をかけた一族のストーリーに迫ります。

創業者の孫にあたる、チョーヤ梅酒株式会社専務・金銅俊二さんにお話を伺いました。

【大阪・羽曳野発!「チョーヤ梅酒」梅酒に人生を賭けた一族 執念の物語】

大阪・羽曳野市にある本社を訪ねると…その建物は思ったよりも小さな造り。

金銅さん曰く「よく言われますが、梅にこだわった一物一価の会社ですのでこの規模の社屋で十分やっていけます!」とのこと。知名度がある企業ながら社員数は約130人。さらに、数々のヒット商品を生み出す商品開発チームはたった2人!

そんなチョーヤ梅酒のお膝元・羽曳野は昔からブドウ栽培が盛んな地域。会社も実はブドウ農家からスタートしたのです。なぜ、ブドウ農家が梅酒を作ることになったのでしょうか…?

元々はワイン製造で成功していた「蝶矢」 !しかし…創業者の「ある行動」がきっかけでワインを捨てる決意!

創業者・金銅住太郎氏は羽曳野でブドウ農家を営んでいました。1924年からはワインの製造を開始します。味も品質も良いと評判になり、ワインメーカーとして安定した業績でした。1957年、住太郎氏は60歳で引退を決め、3人の息子たちに会社を託すことに。

その後、ワインの本場・ヨーロッパへ引退旅行へ向かいます。フランス・ボルドーのワイナリーを訪れ、そこで飲んだ本場のワインのレベルの高さに驚愕。「これが日本に入ってきたら、日本中のブドウ酒は太刀打ちできない!」と大きなショックを受け、慌てた住太郎はすぐに帰国。

本場とのレベルの違いを目の当たりにした住太郎は倒産の危機を感じ、生き残りをかけて≪世界で勝負できる、日本でしか作れない酒を造る≫ことを決意。連日連夜の会議の末、【新商品の条件】として

①日本独自で将来的に輸出販売できる 

②あまり国内で手掛けられていない 

③突飛なものではなく身近で親しみやすい 

この3つを全て満たしたものを作ることに。そこで考え付いたものが「梅酒」です。

梅は欧米にはなく、質も量も日本が世界一。さらに当時は家庭で作るのが当たり前だったため商品化もされていませんでした。梅文化が馴染んでいる日本なら売れる!と確信します。しかも、山を越えたお隣は日本一の梅の産地・和歌山。【梅文化が根付く日本】で【世界で勝負できる酒】=【梅酒】と判断したのです。

さらに『近い将来、梅酒は家庭では作らなくなり、買う時代が来る』と考えたのも、梅酒製造に動き出したきっかけとなりました。

『梅酒で成功しなければ人生を諦めろ!』奮起する息子たち

住太郎は『梅酒で成功しなければ、人生を諦めろ!』と、先祖代々の田畑を売り払い退路を断ちます。背水の陣で挑む梅酒製造。息子たちも覚悟を決めるのでした。

こうして1959年に世界最高品質を誇る日本の梅を使用した、蝶矢「本格梅酒」が発売されました。

梅酒は「家で作る物」だった!原価も知っている客に買ってもらうには?

しかし、茨の道はここからでした。父の後を継いだ息子たちは、完成した梅酒の取引先を必死で探しまわりますが…当時、梅酒は「家で作るモノ」だった時代。ほとんどの酒店に断られます。挙句の果てには社員からも梅酒製造への不満が続出する始末。しかし、2代目社長・和夫は「梅酒もいつか買う時代が必ず来る」と信じ続けます。

そこにさらなる追い打ちが…1962年に酒税法が改正され、実は違法だった家庭での梅酒作りが公に認められることになります。こうして空前の「ホームリカーブーム」が到来…。1970年にはワインの輸入自由化も始まり、梅酒は売れないまま10年が経過してしまいます。絶体絶命の状況…しかし梅酒に人生を賭けると決めた和夫は諦めません。

会社存続の危機…ここで和夫は一つの決断をします。それは、「会社が潰れるまで梅酒のコマーシャルを打ち続ける」という攻めの作戦。まずは梅酒が買えることを認知させるべく、中小企業では考えられないほどの巨額を投入しCM制作を開始。1972年に初めて放映されたCMには社名の「蝶」矢にかけて、人気漫才師・ミヤコ蝶々さんを起用します。

しかし、結果は返品の嵐…。他の商品の売り上げを全て梅酒の広告につぎ込んだため、会社の経営はさらに苦しい状態が続きます。それでも「広告は辞めない」という和夫に社員の不満は爆発し退社する者が続出。それでも和夫は決して信念を曲げません。

梅酒発売から15年、鳴かず飛ばず…倒産寸前の会社を救った理由は「核家族化」!

梅酒が売れないまま15年以上たった1975年、とうとう梅酒が売れはじめます。それは、急速に核家族化が進み、家に作り手(主におばあちゃん)が不在になったから。共働きの家庭も増えて梅酒づくりが下火になったところにCMを打ち続けていたことで「梅酒は買える」という認識が浸透したのです。

さらに、容器の形状をつぼ型からスリムな容器に改良した「紀州」を発売。当時普及していた冷蔵庫のドアポケットに収まるサイズになりました。開けるたびに目につくことが消費につながり、発売初年度から年間100万本を超える最大のヒット商品に!

梅酒市場の競争激化で再びピンチ!売り上げ減の中で打った起死回生の策

しかし、そんなチョーヤに再び危機が訪れます。大手酒造メーカーを含めた他社が梅酒市場に続々と参入したのです。これにより価格競争が激化し、売り上げが落ちてしまいました。

中には少ない梅の数で酸っぱさを出すために、酸味料を加えて価格を抑えていたところも。一方のチョーヤは無添加の本格梅酒を作り続けており、大量に梅を必要とするため価格を下げることは不可能でした。

そんな中、社員から低コストの梅酒作りをしないかという提案が…和夫は「誰も見向きもしなかったが、本来の梅酒の美味しさを伝えることを使命にこだわり続けてきたからこそ今がある!」とそれを許しませんでした。

和歌山の梅農家約6500戸のうち約4000戸から梅を供給してもらっているチョーヤが梅の量を減らすことは、強い絆で結ばれた農家への裏切りとなると同時に、日本の梅文化を衰退させると考えた和夫。価格競争には乗らず、本格的な梅酒の味わいを守ることを決意します。

 

こうして他社に対抗するべくとった作戦は…「梅酒のイメージを変える」。これまでは年配の世代が飲む「健康酒」のイメージが強かった梅酒。それを若者にも飲んでもらえるよう「食前酒」という新たな飲み方で打ち出すべく、若者世代に刺さる商品を続々と開発します。

1987年には日本初の缶入り梅酒ソーダ「ウメッシュ」、89年にはオシャレで鮮やかな見た目の赤い梅酒「ペリーラ」、さらに96年にはアルコール度数を下げ、甘さも控えめに飲みやすさを重視した「さらりとした梅酒」などを発売し、若い世代も日常的に飲むお酒として20代~40代女性の新規顧客層を獲得します。こうしたヒット商品の連発により「梅酒といえばチョーヤ」という確固たる地位を確立しました。

最近では、梅酒や梅シロップ作りが体験できるお店として、京都に梅体験専門店「蝶矢」を開業。若い世代の方に楽しんでもらい、拡散を通じて梅の良さをより多くの人に知ってもらうことが狙いです。こうして梅が消費され、いずれは梅農家の後継者問題の解消につながればと、チョーヤは考えています。

そんなチョーヤのもしマネポイントを、金銅さんに聞きました!「成功しなかったら人生をあきらめろ!」 「諦める」はネガティブではなく、目標に向かって諦めがつくまで努力をしたかが大事!ブドウ酒から梅酒に切り替えた時に多くの労力と資金を費やしても、諦めがつくまで努力をした結果、今があると語ります。

番組情報

〇番組名
日経スペシャル もしものマネー道もしマネ
〇内容
『もしもの時』に備えるマネー道!マネー活用バラエティ!
〇放送日時
テレビ大阪 第1~3日曜日 午後2時放送!放送終了後はYouTubeチャンネル、TVerで無料見逃し配信中。
〇番組HP
https://www.tv-osaka.co.jp/ip4/moshimane/
〇もしマネYouTube再生リスト
https://www.youtube.com/watch?v=6Wfd4Gf2l74&list=PLtu-h0BP6Mk-n6KEfGFbhk6dQLJuhYTgU
〇番組TVer
https://tver.jp/series/srxig6d8zn

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